ファミリーワークス合同会社では、CSR(企業の社会貢献)として学校での出前授業(キャリア授業)を提供しています。
ここでは、9月16日(金)に埼玉県朝霞市の小学4年生を対象に行われた出前授業(キャリア授業)の舞台裏と内容(プログラム)を掲載しています。
出前授業に興味のある教育関係者の皆さまの参考になれば幸いです。
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信頼でつながった小学校での出前授業(キャリア教育)
今回出前授業を実施した小学校は4年生が120人ほどで4クラス。
2時間目と3時間目の2コマを使い、それぞれ2クラスずつ参加して授業が行われました。
実は、こちらの小学校には数年前に姿勢の出前授業でお伺いしています。
今回のご依頼も当初は姿勢教室でのご依頼だったんですが…
「キャリア教育の出前授業をやらせてほしい!」
とお願いしまして今回の出前授業が実現しました。
私を信頼して管理職に掛け合ってくれた養護の先生。
快く了承してくれた校長先生。
興味を持ってくれた担任の先生方。
先生方には本当に感謝です^^
開催決定から準備、当日までの流れ
学校側から開催場所(体育館、各教室など)や参加形態(全学年一斉、クラスごとなど)をお聞きした後、開催の3週間ほど前に、以下の2つをメールでお送りしました。
①当日児童が使うワークのプリント(PDF)
②当日の準備や児童の持ち物のお願い・簡単なプログラム内容を書いたプリント
※今回は体育館だったのでマイクもご準備いただきました。
先生方には事前に、お送りした児童用のワークプリントを印刷して児童に配布してもらい、あとは当日、子ども達がプリントをはさんだ探検ファイル(バック)を持って参加するだけです。
授業を担当した親業訓練インストラクターの紹介
今回の出前授業を担当したのはこの3人。
わたくし生駒(真ん中)と、朝霞市在住の親業訓練インストラクターの高橋直美先生(写真右)と遠藤和子先生(写真左)。
お二人とも大先輩のインストラクターであり、高橋先生はコミュニティー作りが得意で、リアル、オンラインの両方で数多くの読書会やおしゃべり会を主宰しています。
また、遠藤先生は同じ朝霞市内の中学校のさわやか相談員でもあります。
そしてなんと!
今回お伺いした小学校の校長先生が前任校の教頭先生だった!という偶然が!
いや~、色んな信頼関係の輪が今回の出前授業につながっています。
出前授業の内容・様子
ここからは出前授業の内容・様子をご紹介します。
プログラムの全体の流れ
・「仕事って何?」
・未来の仕事のために「4年生の今」出来ること
・親業訓練インストラクターの仕事とは
・お友だちとの接し方3つのタイプ
・自分のことを書いてみよう!
・思いやりのもち方(話の聞き方)
こちらの学校では養護教諭の先生が司会をされていて、冒頭で子ども達に出前授業の趣旨を分かりやすく話してくれました。
「キャリア教育」という言葉を知っていますか?
の問いかけには数人の児童が手を上げていましたよ。
導入
趣旨説明の後、養護の先生からマイクを譲り受け、ここから出前授業のスタートです!
先ずは3人の自己紹介。
そして、わたしからはこんな質問を子ども達に投げかけます。
みんなからは、野球選手、サッカー選手、お菓子を作る人、ゲームセンターの人等々…色々な声があがりました。
残念ながら正解はでませんでしたが、みんな積極的に手を上げて答えてくれました。
ちなみに答えは
「ユーチューバー」
子ども達からは「えーーー!」という反応が多くありました。
以外だったのか、4年生だからなのか、そもそもユーチューバーを職業にカウントしていなかったのか、とにかく初っ端から可愛い感じです。
今回の回答はベネッセ教育情報サイトで掲載しているアンケートからの抜粋です。
授業で使用した回答は男女合わせた結果ですが、男女別のアンケートもありますので、興味のある方は見てみてください。
仕事って何?
導入が盛り上がったところで、「仕事って何?」をKP法でテンポよく紹介していきます。
仕事って「お金をかせぐこと」
だから仕事って
「誰かのためになること」
「誰かの困ったを解決すること」
そして、出来れば
好きなことが仕事になるといい。
仕事って「好きなこと」
その仕事につけなかったら嫌な仕事をすることになる…
そんなの嫌だよね。
だから、
好きなものはたくさんあった方がいい。
でも、急に好きにはなれないよね。
だから、好きなものを増やすために、
色んな事に「興味をもつ」といい。
「興味を持つこと」
きっかけは何でもいいし、上手く出来なくても全然OK!
とりあえず「見てみる」「聞いてみる」「やってみる」
とにかくいっぱいいっぱい興味の数を増やすこと!
だから、小学4年生が将来の仕事のために「今」出来ることは
色んなことに「興味をもつこと」なんだよ。
親業訓練インストラクターという仕事
ここで、親業訓練インストラクターという仕事をご紹介します。
こんなことを教えています。
・子どもの話の聞き方
・親の気持ちの伝え方
・話し合いの仕方
親業訓練とは
※親業については、ファミリーワークスが運営する親支援サイト「親の学校プロジェクト」で詳しくご覧いただけます。
どうして親業訓練インストラクターになったのか
学んでみると子どもの話が聞けるようになって、ガミガミ言わなくても親の思いを伝えられるようになった。
イライラがニコニコに変わったの。
だから私は親業が「好きになった」
もっとたくさんの人に伝えたいと思って親業訓練インストラクターになって、今は親の困ったを解決してお金をもらっています。
そしてここからは後半。
親業訓練で伝えている内容も盛り込みながら、友達との付き合い方を見直すための時間に突入します。
人との付き合い方の3つのタイプ
ここでは、「人との付き合い方の3つのタイプ」を、アニメのキャラクターに例えながら、それぞれの特徴を分かりやすく、テンポよく伝えていきます。
ジャイアンタイプ (いのすけタイプ) | 自分の気持ち、やりたいことばっかり。 相手を大切にしない |
のび太タイプ (ぜんいつタイプ) | 自分の気持ち、やりたいことをひっこめる。 自分を大切にしない |
ドラえもんタイプ (たんじろうタイプ) | 自分の気持ち、やりたいこと伝える。 相手を大切にする |
ここでいう「相手を大切にしない」ということは、「相手の話を聞かない」ということ。
「相手を大切する」ということは、「相手の話を聞く」ということ、それは「思いやりを持つ」ということ
子ども達の中には、それぞれの特徴を聞くたびに思い当たるお友だちがいるようで(あっ、そのタイプあの子かな~)とお友だちと目くばせする様子もありました。
子ども達はよく見ています。
この3つのタイプはみんなの中に全部あるんだよ。
お友だちによって接し方が変わる。
家族と友達では接し方が変わる。
先生と友達では接し方が変わる。
こういうことは普通にあるということ。
では、どうしたら色んな人とドラえもんタイプで接することが出来るようになるのか?
その最初のステップは、
とにかく「自分の気持ち、やりたいことを伝えるぞ!」「相手の話を聞くぞ!(思いやりを持つぞ)」と決めること!
そして、ここからは、みんながドラえもんタイプにもっと近づくための練習をしていきます。
【ワーク】自分のことを書いてみよう!伝えよう!
「自分の気持ち、やりたいことを伝えられる人」になるために!
ここでは、探検ファイルを取り出し、自分発見ワークの質問の答えを考えていきます。
質問は全部で4問。
1問20秒で一斉に書いていきます。
①今、一番やりたいことは何?
②それはどうして?
③一番嫌いな教科は何?
④それはどうして?
短い時間ながら、みんな一生懸命考えてくれて、予想以上のコミットメントと集中力を発揮してくれた子ども達。
もちろん、時間内に書けなかったーという子も「それでOK!」
このワークの目的はやりたいことを見つけることではありません。
自分が思っていること・感じていることを自分で分かること、それを伝えることが目的です。
だからむしろ、「それはどうして?」の質問では、「書けなかったのはどうして?」を考えてもらえば大丈夫。
【シェアタイム】(1分)
4問終わったあとは隣の人と、お互いでどんなことを書いたのか教え合います。
何気にここが一番盛り上がったかもですね。
やっぱり話すっていいな~と思ってみていました。
「友達と答えが全部一緒だったー」
と嬉しそうに話すお子さんもいましたね。
1分のシェアタイムが修了。
「前を向いてください」
の号令にみんなしっかりと前を向いてくれました。
そしてここで問い。
一生懸命伝えたのに、自分の思っていること・やりたいことを聞いてくれなかったり、否定されたらどう思う?
嫌だよねー
自分を大切にしてくれているとは思えないよね。
ここからは、二人の先生によるカラーボールのキャッチボールの演習を通じて、「話を聞いてくれない・自分を大切にされていない対応」と「話を聞いてくれる・大切にしていくれる対応」の違いを視覚的に感じてもらいます。
カラーボールを使った演習をみて違いを体感する
例えば、お友だちがあなたに「ユーチューバーになりたいなあ」と言ったとします。
今から二人の先生がカラーボールでキャッチボールをします。
先ずは、「話を聞いてくれない・自分を大切にされていない対応」を表現してみましょう。
(青いボールを投げる)
(違う色のボールを強く投げる)
高橋先生は元気がなくなってしまいました…
どうしてだか分かりますか?
もうひとパターン見てみましょう。
(青いボールを投げる)
(違う色のボールを弱く投げる)
あらあら…高橋先生がもっと元気がなくなりました…
みんなもこんな風に言われたら…
あーなんか傷ついたな…
話して損したなー
僕の話に興味ないんだな…
と悲しい気持ちになるかもしれません。
それはなぜかというと、
自分が投げたのは青い色のボールなのに、相手から返ってきたのは違う色のボールだから。
こんな風に、自分の言ったのと違う色のボールを返されると聞いてもらった気がしないんです。
では、どんな風に接したら、相手が聞いてくれたと感じるのでしょうか。
次は、「話を聞いてくれた・大切にしていくれてる」と感じる対応でキャッチボールしてもらいます。
(青いボールを投げる)
(同じ青いボールを投げる)
高橋先生嬉しそうです。
こうして同じ色のボールを返すことで、
「あなたが言いたいこと・やりたいことは青いボールだと思ったけど、わたしの理解は合っていますか」
と、聞き手の理解を話し手に確かめているんだよ。
聞き手は自分の理解を確かめつつ相手に理解したことを伝えることが出来るし、話し手は聞き手が自分を理解してくれたことが分かる。
だから、お互いの仲はドンドン良くなるっていくんだよ。
まさに、思いやりのボールだね。
思いやりのボールに気が付いたところで、本当はみんなに「思いやりのボール」を体験してほしいんだけど、時間がないので…
その問いかけに、我先にとたくさんの手が上がりました。
思いやりのボールを体験する
最初に手を上げてくれたA君には、ボールを使ったコミュニケーションワークを生駒と体験してもらいました。
先ずは最初に「思いやりのない接し方」
生駒:今一番やりたいことは何?
A君:バスケットー(青いボールを投げる)
生駒:バスケットは背が高くないとダメなんじゃないのー(違う色のボールを強く投げる)
A君:…………
演習とはいえ、この時のA君の悲しそうな表情にこちらまで切なくなりました…
次に「思いやりのある接し方」
生駒:今一番やりたいことは何?
A君:バスケットー(青いボールを投げる)
生駒:バスケットがやりたいんだね(青いボールを投げる)
A君:うん(安心したように)
生駒:それはどうして?
A君:楽しいから(青いボールを投げる)
生駒:そうかあ、楽しいからバスケットがしたいんだね」(青いボールを投げる)
A君:うんうん(嬉しそうに)
「思いやりのない接し方」と「思いやりのある接し方」ではA君の表情の違いは明らか。
余談ですが…我が家のの子ども達も小学校の頃からバスケットをやっていたので、最後はすっかり我が子のような気持になりました。
それはさておき、みんなの前で演習するって、いざ前に出てくると緊張するものです。
頑張ってくれたA君に、私からは「ありがとう、応援しているよ」のメッセージを。
会場からは大きな拍手が送られました。
そして、席に戻った時のA君のキラキラした瞳はずっと忘れないと思います。
最後はインストラクター3人が前に並んでごあいさつ。
最後のあいさつ
今日は「仕事ってなんだろう」「お友だちと良い関係を作るためにはどうしたらいいんだろう」を一緒に考えていきました。
未来、みんなが好きなことを仕事にするために、今からたくさんのことに興味を持ってください。
そして、思いやりのボールをたくさん周りに投げてください。
それは、わたしは「あなたに興味があります」と知らせることになります。
そうすることで、好きなことを仕事にしていくことに近づいていくはずです。
今回参加してくれた子ども達、先生方ありがとうございました。
今日の出前授業が、この先の子ども達の生き方に少しでもプラスの影響を与えられたらいいなと願っています。
出前授業ーFINー
保護者の皆さまもありがとうございました
今回の出前授業は保護者の参加OKということで、多くの親御さんが観覧に来てくれました。
終わってからお話ししたいくらい嬉しかったです。
ぜひ、親子の共通の体験として会話のネタにしてくれたら最高です。
また、この出前授業では、保護者へのプレゼントとして親業訓練協会が発行している冊子を該当学年の全世帯にお子さんを通じて配布しました。
より良い親子関係の参考していただけると嬉しいです。
出前授業(キャリア教育)に来てほしい学校を募集中!
ファミリーワークスでは、出前授業(キャリア教育)に来てほしい学校を募集中です。
対象は小学校4年生~中学校・高校・大学、その他、子ども達に楽しみながら「仕事」と「人間関係」を学んでほしいと希望する団体なら形態は問いません。
ぜひ、わたし達と一緒に子ども達の心に残るキャリア授業を作り上げていきましょう。
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出前授業(キャリア教育)をする理由
人間関係、そして人間関係を構築するコミュニケーションの方法は、これまで育ってきた環境(親も含め)に起因する部分が多くあります。
そのため、他のコミュニケーションの方法を知らずに大きくなることで、社会に出てから人間関係で少し多めに苦労をかかえることになり、キャリアの形成にも大きく関わっていくことになります。
実は、大人になって苦しんでいる人はとても多いです。
親業訓練インストラクターの仕事というのは、そうして大きくなり親になり苦しんでいる人に教える仕事でもあります。
ファミリーワークスの出前授業では、子ども達が楽しみながら「人間関係」や「コミュニケーションの引き出し」を増やしていくのをお手伝いします。
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